同人小説の本文用紙。上質紙なら70kgと90kgどっち?

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同人小説の本文用紙

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、同人小説の本文用紙は上質紙なら
70kgと90kgどっちがいいかというお話。

管理人は同人誌作ったり
するわけではありませんが。

こういうときにどんな紙を使うのか
というのはなんとなく分かります。

元製紙会社社員ですから。

それで、ここでは小説なので
本文用紙に上質紙を使うということ。

これは一般的だと思います。

そのときに70kgと90kgで
どっちがいいか?

管理人の感覚では70kgで
良いかなと思いますね。

もちろんページ数によって
変わってくるんですが。

ということで。

この記事では、同人小説の本文用紙は
上質紙なら70kgと90kgどっちがいいか、

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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同人小説の本文用紙は上質紙なら70kgの方が良いと思う理由

では、管理人が同人小説の本文用紙が
上質紙70kgで良いと思う理由を。

まず前提ですが、ここで言う70kgとか
90kgは四六判換算のkg連量のことです。

それぞれの米坪と紙厚の比較は以下の通り。

連量70kg、米坪81.4g/㎡、紙厚0.10mm
連量90kg、米坪104.7g/㎡、紙厚0.13mm

紙厚は銘柄によって違いますが
目安としてはこんな感じです。

それで、一番問題はページ数。

何枚の紙になるかということですね。

枚数が増えれば紙が薄くても
結構しっかりしているということです。

たとえば。

124ページの本の場合、
紙の枚数は半分の62枚。

とりあえず表紙の厚みは無視して
本の厚みを計算すると、

70kg:0.1mmx64枚=6.4mm
90kg:0.13mmx64枚=8.32mm

ということになります。

どちらの場合でも厚みは5mm以上。

いわゆる同人誌の薄い本としては
十分な厚みがあると思いますね。

それなら少しでも薄い方が
いいと思います。

まず、トータルの紙代が安い。

通常紙の値段は重量ですから
同じ枚数なら軽いほうが安いです。

それから、箱に詰めたときの効率です。

たとえば巾21cmの箱に入れたとすると、

70kg:210mm÷6.4mm=32.8冊
90kg:210mm÷8.32mm=25.2冊

端数を切り捨てると32冊と
25冊で7冊の違いが出ます。

一箱に何冊入るかは運送の手間を
考えると結構重要なんですよね。

こんな感じで、上質紙を使うなら
連量70kgで良いかなと思うわけです。

なお、上質紙の連量、米坪、紙厚の目安を
まとめた記事がありますのでご参考まで。

(参考)

⇒上質紙の厚さ表示について。薄口や厚口とはどういうものか?

同人小説の本文用紙にプリンタ用紙を使う場合

先程は同人小説の本文用紙に上質紙を
使う場合のkg連量についてのお話でした。

比較としては70kgと90kgでした。

ただ、70kgより紙が薄くなると
裏抜けが心配になります。

これはプリンタ用紙でも同じことです。

身近なプリンターはインクジェットと
レーザープリンタだと思います。

ただ、これらは印刷方式が全く違う。

特にインクジェットは
裏抜けしやすいんですね。

片面印刷なら気にならなくても
両面印刷だととても気になる。

実際のところ、レーザープリンタや
普通のオフセット印刷なら大丈夫でも

インクジェットの場合はインクが
裏抜けすることがあるんですね。

ここで比較した連量70kgの上質紙は
オフセット印刷なら問題ないでしょう。

またレーザープリンタ用紙なら
もっと薄くて問題ないと思います。

たとえば、レーザープリンタで使える
コピー用紙の場合米坪は64g/㎡。

片面インクジェット印刷なら
これでを使うことが出来ます。

しかし、米坪64g/㎡のインクジェット用紙で
両面印刷をすると裏抜けすることが多い。

たとえば、インクジェット用紙の両面普通紙は
エプソンなら95g/㎡、キヤノンなら93g/㎡

というような設定になっており、
片面用よりかなり厚いんです。

先ほど紹介した上質紙で言うと
70kgの米坪が81.4g/㎡

90kgの米坪が104.7g/㎡ですから
93g/㎡ならその間の80kgになります。

何が言いたいかと言うと、本文用紙を
インクジェットで両面印刷する場合は

裏抜けの問題があるので厚めの両面
印刷用を使う必要があるということです。

普通紙の両面印刷用インクジェット用紙が厚い理由

ここからは余談です。

ここまで同人小説の本文用紙に
何を使うかついてお話しました。

それで、上質紙やレーザプリンタ用紙は
そこそこ紙厚が薄くてもいいが

インクジェット用紙は紙厚が厚くないと
裏抜けが発生すると説明しました。

この理由はインクジェット
インクの成分の問題になります。

実はインクジェットインクの約8割は水。

商業印刷で使われるオフセットインクなら
半分程度が紙に残る顔料と樹脂ですし、

レーザープリンタに使われるトナーは
そもそも固体ですから裏抜けが少ない。

しかし、それらに比べるとインクジェット
インクは多量の水分が紙に浸透する。

この水分を吸収しきれないと
紙の裏側まで抜けてしまうわけです。

それを防ぐには紙を厚くするのが良い。

これが簡単で効果があったということ。

だから、本文用紙印刷でインクジェットを
使うなら両面用を選んで使って下さい。

これはコストではなく品質の問題なので
ケチケチしてはいけないところですので。

管理人のまとめ

今回は、同人小説の本文用紙は上質紙なら
70kgと90kgどっちがいいかというお話でした。

結論としては連量70kgで
いいでしょうということでした。

品質的に問題なければ紙は薄い方が
紙代が安くなるし、箱詰めもやりやすい。

運送時の箱の数も減らせる。

色々とコスト的にメリットがあるからです。

ただし、自宅でインクジェットを使うなら
両面印刷用を使わないと裏抜けするので

ここは品質重視で両面印刷用の
インクジェット用紙を使うということでした。

なお、紙厚に関しては趣味の問題で厚い本が
いいのであれば厚いものを使えばいいです。

内容的に重厚感を持たせるならば
紙厚が厚い方がマッチしますから。

管理人としては、厚すぎる紙はコストが
高くついてもったいないと思いますけど。

この記事が、同人小説の本文用紙を
選ぶときの参考になればと思います。

同人小説に使う紙は内容に
合わせて選んで下さいね!

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