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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、紙でイメージはどう変わる?
厚みのあるマット紙で高級感演出
というお話。
管理人は元製紙会社社員。
市場のニーズに合わせた紙を作る
という仕事をしたこともあります。
実際には工場で製造する側で
営業のいいなりでしたけど。
「こんな紙を作ればここに売れる」
みたいな話はよく聞かされました。
上手く対応できたものもあれば
どうしても出来なかったものもある。
紙なんて今更何するの?と言う感じですが
それでも新しいニーズへの対応があった。
地味ですけどね~
それはそうとして。
管理人が担当した印刷用紙でも
チラシや本に紙を使うとき
その紙がユーザーに与える
イメージはとても重要でした。
高級感を与えるか、安売り感を与えるか。
儲かっている感じを与えるか
儲かっていない感じを与えるか。
驚くべきことに安っぽい紙にも需要がある。
いい紙を作りたい側からすると
「何で?」と思いますけど。
ということで。
この記事では、紙でイメージはどう変わる?
厚みのあるマット紙で高級感演出について
管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。
紙でイメージはどう変る?内容とのマッチングが重要
それで。
紙でイメージがどう変わるかなんですが。
一般論からお話すると。
高級感を出すなら。
- 厚めの紙を使う。
- マット調の紙を使う。
- 印刷光沢の高い紙を使う。
というのが分かりやすいですね。
逆に安物感を出すなら
- 薄い紙を使う。
- ギラギラした光沢のある紙を使う。
- 印刷光沢の低い紙を使う。
と言う感じになるでしょうか。
あくまで一般論ですけど。
でですね。
紙の厚い薄いは規格がありますから
その通りに製造するんですけど
ギラギラした光沢を出すとかわざと
印刷光沢を低くしたりはしません。
これらは仕方なくそうなるもの。
でもそれがいいというお客さんがいる。
なんだかな~、と思ってましたね。
それで。
紙のイメージの話に戻りますが。
高級感のある紙の用途といえば
写真集とカタログでしょうか。
自動車のカタログなんて
当然最高級のアート紙。
管理人はダルアート紙と呼んでましたね。
一般的にもスーパーアートとか
ダルアートと呼ばれると思います。
特徴としては紙が厚くて
白紙光沢が低めのマット調
印刷光沢が高くて印刷物が
紙から浮き上がってくる感じ。
まさに、紙が厚くてマット調で
印刷光沢が高い紙になります。
写真集はピンキリですけど
美術品なんかはこのタイプ。
自動車にしても美術品にしても
物によっては数百万円するわけで
使われる紙もそれ相応の高級品を
使うことになるというわけです。
紙としては製造コストもかかりますが
販売単価も高いのでおいしい仕事。
ただし、トラブル時のリスクも高い。
管理人は後発メーカーでしたから
そういう仕事は少なかったですけど。
今度はその逆の安物の紙。
分かりやすいのはスーパーのチラシ。
かつてはキザラに赤い太文字で
「大安売り」とかありましたが。
今でもありますけどかなり少ない。
今の主流は薄手のコート紙ですね。
規格でいうとA3コート紙と呼ばれます。
微塗工紙もありますね。
米坪64g/㎡~81.4g/㎡程度。
はっきり言ってペラペラです。
そして光沢はギラギラしてます。
白紙光沢が出やすい塗料を薄く塗るので
光沢が不均一になりやすくギラギラする。
米坪の薄いコート紙は塗工量が少なく
表面のカバーが不十分で印刷光沢も低い。
なので印刷物は紙に沈んだように見える。
しかしですね。
この安っぽさがスーパーにはいいらしい。
同じ印刷でもスーパーのチラシが
ダルアートだったらちょっと引く。
売ってる価格が数十円とか数百円なのに
高級感がありすぎると入店しにくい。
なのでスーパーのチラシはA3コート紙。
実際には紙が安いからコスト削減
と言う意味合いの方が強いですが。
管理人が会社に居たのはこういう
安いコート紙が増え始めた頃。
紙の単価は安いけど数量だけは
どんどん売れた時代でしたね~
紙でイメージはどう変わる?履歴書は厚みのあるものを!
これはこのブログでも何度かお話した話題。
履歴書とか契約書に使う紙の話。
最近は求人もペーパーレス多いですが。
今でも履歴書を紙で送るところも多い。
このときに使う履歴書の紙ですが
安いコピー用紙はやめた方がいい。
それは自分が安っぽく見えますから。
採用する企業側としても
安く見られている感じがする。
いずれにしても印象が悪いです。
こんなことで不利になる必要はない。
履歴書を送るなら指定がなければ
市販の普通のものを使うのが無難。
たとえばこんなやつ。
日本 日本法令 法令 履歴 書 jis 規格 説明 書付 a 4 履歴 書 用紙 4 枚 シール 付 封筒 3 枚 職務 経歴 書 3 枚
これは一般的な履歴書ですよね。
紙質は上質紙ですがコピー用紙のように
ペラペラではなく、しっかりしている。
履歴書なんて重要書類ですから
無難なものを使うべきでしょうね~
紙によるイメージ操作。わざと紙質が悪そうな紙を使う場合も?
ここまで、商品やサービスに合った
紙質の紙を使う話をしてきました。
ところが。
そんなケースがあるのか?
と思うことなんですけど。
なんと、わざわざ紙質が悪そうな
紙を使うケースがあったんです。
管理人が経験したものだとお役所。
正確にはお役所の外郭団体でしょうか。
イメージとしては社会保険みたいなやつ。
あれって儲かってたらだめですよね?
公共事業は利益を出してはいけない
というイメージがありますから。
儲かるなら料金を安くしろと言われるし。
となるとですよ。
使う紙も安っぽいものを選ぶわけ。
実際の購入価格は高くていいので
見た目が安っぽいものがいいと。
そんな不思議な要望がありましたね。
で。
管理人が担当していた紙が
その時に使われてました。
技術者としてはなんとも不名誉。
会社としては利益が出てましたが
儲かってない感じに見せる紙とは。
その時に使っていた紙はマット調
中質微塗工紙だったと思います。
文字や数字が印刷されるので
見やすいマット調を採用。
しかし中質系なので上質コート紙や
上質紙よりもくすんで見える。
そして印刷は沈む。
いかにも儲かってなさそうな
印象を与える紙だったんです。
でもそれがいいんだと。
こんな欠点だらけの紙でもニーズが
あれば売れるという勉強にはなった。
技術者としては釈然としませんが。
似たような話で古紙入り品もありました。
品質が良すぎると古紙含有が疑われる。
だから少し白色度を落としてくれとか。
管理人、良いものを安く提供する
というのがモラルだと思ってました。
なのにわざわざ少し悪くして高く売る
という考えには反発を感じましたね~
とはいえ。
そんなのは長く続かず普通に用途に
合わせた紙を選ぶことになりましたが。
管理人のまとめ
今回は紙でイメージはどう変わる?
厚みのあるマット紙で高級感演出
というお話でした。
紙は商品の内容にあわせて選ぶ。
高級カタログなら紙は厚く、
落ち着いたマット調にする。
印刷は浮き出すように光沢感のあるもの。
スーパーのチラシなら髪は薄く
ギラギラした光沢紙を選ぶ。
そのほうが紙自体も安いです。
履歴書や契約書のような
紙なら少し厚手の上質紙。
一般的な印刷物や同人誌なんかでも
イラストや写真が多ければ光沢紙
文字が多いならマット紙
と言う感じで選んでいく。
紙質によって商品のイメージは
結構左右されるんですよね。
違和感のないものを使うのが大事です。
それ以外にちょっと特殊な例もお話しました。
たとえば役所関係のように儲かっていない
イメージが必要なところに使う紙ですね。
白紙が少しくすんで印刷が沈んでいる感じ。
技術者としては釈然としませんが
これもニーズに合わせるということ。
いずれにしても。
印刷物は紙でイメージが変わります。
狙いにあった紙を選ぶのが重要ですね~
この記事が、紙でイメージは
どう変わるかの参考になればと。
使う紙、上手く選んで下さいね!
(参考)
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