紙と布の違い?前者はパルプの積層体、後者は糸を織ったもの

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布

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、紙と布の違い?前者はパルプの
積層体、後者は糸を織ったものというお話。

紙も布も身近なシートで、
違いは簡単に分かります。

ただ、どう違うかとなるとややこしい。

管理人、布の方はイマイチわかりませんが
紙の方はちょっとややこしいと思いますね。

とりあえず紙は、

==ここから==

JIS(日本工業規格)の定義によれば、紙とは「植物繊維、その他の繊維を膠着(こうちゃく)させて製造したもの」

==ここまで==

なんだそうです。

実際にはパルプを水に分散させてそれを
徐々に脱水してシートにしたものが紙ですね。

布の方は糸を織ったもの
と言うことになるようです。

それから重要なのは布は経糸と緯糸で織る。

糸が格子状になっているということ。

それに、糸同士はくっついてはいない。

このあたりが紙と布の違いになるでしょうか。

製造方法や定義はこんな感じですが
使われ方はまったく違いますよね。

それから不織布のように紙なのか
布なのか分類が難しいのもあります。

そのあたりもうちょっと
お話してみたいなと。

ということで。

この記事では、紙と布の違いについて
管理人の調べたことをお伝えします。

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紙と布の違いは繊維の絡み方の違い

先程もお話しましたが紙と布の違いは
結局は繊維の絡み方の違いになります。

紙の場合は短いパルプ繊維
がくっついてシートになる。

植物の繊維、主成分はセルロースですが
この水中で分散していたパルプ繊維から

水を脱水していく過程でパルプ同士が
水素結合などでくっついていくわけです。

くっつき方は複雑で水素結合もあれば
単純に絡み合っているだけのこともある。

場合によっては凝集剤的な薬品で
くっついていることもあります。

そういうものが積層してシートになれば
紙ということになるわけですね。

一方の布は糸を織ります。

経糸と緯糸を使って格子状に織る。

管理人はその織り方の
詳細は知りません。

簡単に布を織ると言っても相当な
バリエーションがありますから。

ただ、紙と違って短い繊維を積層する
のではなくてあくまでも糸で織る。

そこが大きな違いになるんでしょう。

そういう製造方法の違いがあるので
出来たものもかなり違います。

シートというのは同じだとしてもです。

管理人が一番違うと思うのは剛度。

紙は剛度が強いですよね?

布は相当厚くてもしなやかですが
紙は薄くてもパリッとしています。

それから耐水性ですかね。

紙は水に弱いです。

中には水で溶けないものも
ありますが多くは水に弱い。

一方の布は水で溶けることはありません。

材質が水溶性ならどうか分かりませんが
一般的には水に溶けたりしませんよね。

紙が水に溶けるといいましたが
正確には離解する、ということです。

布は溶剤で繊維がバラバラに
なるというのはないですよね~

紙は洗濯できませんが布は洗濯できる。

これも大きな違いですね。

不織布について

ここからは余談です。

紙とも布ともいい難いのが不織布。

分類が難しいですよね~

どちらかと言うと髪に近いんでしょうか。

不織「布」と言いますけどね。

不織布の場合は製造方法がいくつかあって
乾式とか湿式とかがあるようです。

繊維もパルプだけではなくて、
合成繊維でもなんでもいい。

通常の紙よりもバリエーションがありますね。

性能も必要なものを狙うことができます。

それで。

作り方としてはたとえばパルプ繊維を使うなら
脱水していく過程で水素結合させるのではなく

接着剤を使って化学的に繊維を
くっつけてしまうという感じです。

そういう作り方をすると水で
離解することはありません。

ただこれ、良し悪しなんですよね。

紙の利点はリサイクルできること。

水に入れたら簡単に離解できて
古紙パルプとして再生できる。

しかし、不織布の場合はそれが出来ない。

接着剤でくっついているなら
水で離解は出来ませんからね。

もちろん、使う場所にもよるんです。

不織布は例えばマスクとか生理用品とか
そういうところで使われることが多い。

水に濡れても大丈夫な機能性が
活かされるところで使うわけです。

こんなものはどっちにしても
燃えるゴミで燃やすしかない。

なので、一般の紙のように使い終われば
リサイクル、ということにはなりません。

このあたりが紙っぽい布の感じですね~

管理人のまとめ

今回は紙と布の違いというお話でした。

紙と布、見れば違いは分かりますが
一応は紙はパルプ繊維の積層体、

パルプスラリーを脱水することで得られる、
布は縦横の糸を格子状に織ったもの。

こんな感じですかね。

ただ、不織布のような微妙なものも
あって分かりにくいような気もします。

出来たものの性質としては剛度とか
耐水性とかリサイクルのしやすさとか

色々違いがあると思いますけど
管理人はやっぱり剛度かな~と。

人間的には風合いが違う
ということになりますかね?

まあ、それぞれが違うので適材適所で
使えるということもあるんでしょうね。

この記事が、紙と布の違いの
参考になればと思います。

紙も布も上手く使って下さいね!

(参考)
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プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
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