スポンサーリンク

古紙リサイクルコスト!バージンパルプより本当に安いのか?

古紙リサイクルコスト

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は、古紙リサイクルコストは
バージンパルプより本当に安いのか。

管理人は元製紙会社社員ですから
この内情は少しは分かっています。

紙の品質設計をやったこともあるし。

古紙は常に安いですと言いたいですが
正直言ってそこまで割り切れません。

ではどんな感じになっているのか?

ということで。

この記事では、古紙リサイクルコストは
バージンパルプより本当に安いのかについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

スポンサーリンク

古紙リサイクルコストはバージンパルプより安い事が多い

結論から言うと古紙リサイクルコストは
バージンパルプより安い事が多いです。

結局、古紙パルプのコストはパルプの
白色度をどこまで上げるかによります。

たとえば、段ボール古紙。

これは回収してきた古紙を
そのまま水で離解するだけです。

苛性ソーダを使用するとかはありますが
高価な薬品を使うことはありません。

フィルターやスクリーンを通しますが
これは設備なので処理量が増えれば

固定費が下がっていくという
ことになります。

使用用途が段ボールですから
漂白する必要がない。

アルカリ水で離解してパルプになれば
そのまま原料として使えるわけです。

ですからこれは費用が安い。

とにかく、脱墨とか漂白という
工程がないので薬品が要らない。

漂白する場合は熟成という工程、
つけ置き洗いみたいものですが

そういう時間がかかる工程もないので
単位時間あたりの処理量も多い。

薬品費が少なくて固定費も下がるので
段ボール古紙に使う古紙パルプは安い。

また、そうでなければあんなに大量の
段ボールを安く作ることは出来ません。

バージンパルプの未晒パルプの
半額以下じゃないかと思います。

これは古紙の市況で変わるんですが。

これは一番安い古紙パルプの場合。

次に安いのは新聞の古紙パルプ。

これは使用用途がほぼ新聞紙で
一部雑誌用の中質紙や微塗工紙。

これも新聞紙に使用するために
製造する場合は古紙パルプが安い。

どういうことかと言うと、新聞古紙は
パルパーで離解したあと脱墨と漂白を

するんですが、このときの薬品費が
比較的少なくて済むんですね。

ちなみに脱墨というのは、
新聞のインクを除く工程です。

それで、この薬品費が少なくて済む理由は
新聞紙で使える白色度にするから。

なんのことかと言うと、新聞古紙を
使えば製造される古紙パルプの

白色度もだいたい新聞紙と同じか
少し低目になるわけです。

だからそんなに漂白しなくても
そこそこの白色度のパルプになる。

つまり、あまり薬品費がかからない。

結局、新聞に使う古紙は
安いということになります。

ここまでは、古紙が安い
ということで間違いないです。

古紙リサイクルコストはコート紙用は安いとは限らない

ここからがややこしいです。

コート紙、特に上質コート紙の場合。

これは上質、ですから白色度が高い。

新聞用に製造した古紙パルプを
コート紙に入れると色が黒くなる。

白色度が低い古紙パルプを
入れるのですから当然です。

そうなると、このパルプを
漂白しないといけないわけです。

これが大問題。

新聞用に製造するなら無理なく
漂白できた古紙パルプですが

上質コート紙用に製造するなら
白色度で20ポイント程度アップが必要。

白色度56%の古紙パルプを
白色度78%にする、という感じ。

新聞用の古紙パルプなら漂白は
数ポイントアップでよかったのに

上質コート紙に配合するなら
20ポイント以上漂白しないといけない。

当然薬品費が跳ね上がるわけです。

しかも、白色度が高くなるほど
入れても入れても上がらない。

最後の1ポイントを上げるのに使う
薬品費がとても高いとかになるんです。

こんな調子で頑張ってしまったら本当に
バージンパルプより高くなってしまう。

さすがにそんなことは出来ないので
そうならないレベルで抑える感じですね。

こんな感じで、古紙リサイクルコストは
バージンパルプより安いんですが

上質コート紙に使う場合については
費用対効果を見て抑えている感じです。

本気でコート紙と同じ白色度の古紙パルプを
作ろうとしたら技術的にも難しいですが

それ以上にコストが掛かって仕方がないので
実際にはやらないという感じでしたね。

今はその技術も進んでいるので
もうちょっとマシだとは思いますが、

コート紙に古紙を入れるのは
弊害も多いのであまりやりたくない。

管理人が製紙会社にいたときは
ごまかす程度に数%の配合でしたね。

それからコート紙に限って言えば
古紙が多いと欠陥が出やすかった。

特に高速のブレードコーターでは
古紙がストリークの元になってました。

ここでいうブレードコーターというのは
紙についた塗料を刃で掻き落とすような

塗工方式のことで、ストリークは
筋状の欠陥のことです。

管理人がいた頃、古紙入りコート紙は
欠陥がひどく古紙配合率は低かった。

かなり無理をしていた印象があります。

こんな感じで、古紙リサイクルコストは
バージンパルプより安いんですが

使用用途によってはかえって高くつく
という場合もあるということです。

スポンサーリンク

管理人のまとめ

今回は、古紙リサイクルコストはバージン
パルプより本当に安いのかというお話でした。

結論は、基本的には安いが用途によっては
やすいとは言い切れないということでした。

具体的には、段ボールや新聞紙は安いが
上質コート紙に使用出来るようにすると

バージンパルプと同じくらいの
コストが掛かってしまうということです。

要するに白い紙に使おうとすると
リサイクルしても高くなるということ。

使う紙を選ばないといけないわけです。

このあたりのことがわからない人が
上質紙にも古紙を入れろと言うんです。

漂白薬品の使用量が増えてしまったら
コストが上がるしエコでもない。

正直言うと本末転倒なんですよね。

製紙会社はそうしないと売れないなら
仕方なく対応はするんですけど。

こういうのは本来使うべき用途で
使えるようにすべきだと思います。

無理して使うといびつなことになりますので。

この記事が、古紙リサイクルコストを
考える参考になればと思います。

環境問題、よく考えてみて下さいね!

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする