この記事は約 8 分で読めます。
管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、ペーパースラッジの再利用!
土壌改良やセメントの原料になる
というお話。
ペーパースラッジの定義ですが。
富士製紙協同組合のページだと
==ここから==
古紙からトイレットペーパー等再生紙を製造する際、紙にならずに排水中に流失した短繊維や無機物を濃縮し脱水した物です。 PSはPaper Sludgeの略で、水分は55~60%、灰分は45~52%です。
==ここまで==
ということらしい。
そもそもスラッジというのは
汚泥のことになるんですね。
実はこの処分が大変で過去には
垂れ流して公害になったりした。
基本的に焼却すればその灰は
シリカなのでこれが使えるとか。
ではどんな再利用方法があるのか?
ということで。
この記事では、ペーパースラッジの再利用!
土壌改良やセメントの原料になる、について
管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。
ペーパースラッジの再利用。どんな性質があるのか?
ペーパースラッジ自体は
古紙パルプ工程とか
抄紙工程で出てくる短繊維が
主な成分になるようです。
汚泥の状態ですね。
これはもう紙の原料には使えない。
広い土地があれば埋め立てるんでしょうけど
大量の泥を受け入れてくれる土地もない。
なので基本的には脱水してボイラーで焼却。
管理人の記憶ではスラッジボイラー
という専用のものがあったかなと。
確かそのボイラーからの廃熱で
発電とか給湯とかやってた気が。
管理人の感覚では何でも燃やす
便利なボイラーと言う感じ。
汚泥だけでは燃えないので重油を
一緒に燃やしていたように思います。
それで。
このボイラーから出てくる灰なんですが。
この灰は基本的にシリカや炭カルだそうです。
焼却してしまえば有機物は
炭酸ガスと水と窒素酸化物。
炭酸ガスは今は温室効果ガスとして
色々問題ですけど基本的に放出。
水蒸気は問題ない。
窒素酸化物は中和して硝酸廃液。
そんな感じですかね。
それで残るのはクレーや炭カル。
クレーの成分ははアルミナとシリカ。
なのでペーパースラッジの
成分はシリカが多いらしい。
でですね。
このシリカは多孔質なんだそうです。
管理人が馴染みがあるのはシリカゲルか。
食品用乾燥剤 シリカゲル 5g × 100個 60×55mm
もちろん食品用とかではなくて
土壌改良用とか建材に使われる。
セメントの原料にもなる。
ちょうど山砂の代わりになるようです。
道路の舗装なんかでも活躍している。
水はけの良い歩道とかにも。
建材の砂の代わりですから
大量に使われるんですね~
ペーパースラッジの再利用。紙への添加
ペーパースラッジの再利用として
紙の原料にするというのもあります。
普通に考えればこれができれば一番いい。
もちろん問題もあります。
それはペーパースラッジの
灰はそんなに白くない。
なので上質系の紙に使うのは難しい。
これって古紙処理と同じです。
新聞古紙を新聞紙に使うのはいいけど
上質紙に使うとなると漂白コストが高い。
一番白い紙に使うとなると
同じかそれ以上の白さが必要。
ペーパースラッジではそれが難しい。
技術的に漂白は出来るでしょうけど
コスト的に合わないと思うんですよね。
そもそもの原料は廃棄物ですけど
脱水・焼却してから漂白となると
結構なコストがかかってくると
思うわけで、これは厳しい。
それから輸送コストもバカにならない。
自社の工場内で処理しきれるなら
そんなに問題にならないですが
海外から大きな船で運んでくるより
国内トラック運賃のほうが高いとか
そういうことは普通にありえる
お話になってきますので。
それはそうとして。
では何か使える紙があるのか?
一番可能性があるのは板紙ですね。
これは実用化されているそうです。
本来板紙に灰分を入れる必要はないんですが
コストダウンというか廃棄物減量でしょうか。
強度に影響が出ないレベルで
添加できるみたいですね。
板紙を生産している工場は
それでいいと思うんですが
工場によってはコート紙がメインとか
上質紙がメインというところもある。
そういうところではこれは使えません。
ペーパースラッジが白ければ
上質紙にも入るでしょうし
コート紙の塗料にも使えるでしょうけど
そこまでの白さにするのが難しいかなと。
コスト的に見てやる意味あるのか?
ということになるんでしょうね~
ペーパースラッジの再利用。製鉄用保温材
ペーパースラッジの再利用としては
製鉄用の保温材にも使うらしい。
北越コーポレーション
⇒https://www.hokuetsucorp.com/environment/waste_reduction.html
ペーパースラッジを焼却ではなく
蒸し焼きにして有機分を炭化する。
これが製鉄のときの保温材に使えるらしい。
こうしてみると。
ペーパースラッジも色んな
用途があるものですね~
管理人のまとめ
今回はペーパースラッジの再利用!
土壌改良やセメントの原料になる
というお話でした。
ペーパースラッジは再利用されて
土壌改良とかセメントの原料になる。
それ以外だと板紙の原料とか
製鉄の保温材とかになる。
しかしそれでも使いきれずに
埋め立てになるものもある。
もちろん焼却ボイラーの排熱は
発電や給湯でサーマル利用される。
それでも使い切れないものは
埋め立てられるようですね。
こういう取り組みはなんとか
うまく行ってほしいものです。
この記事が、ペーパースラッジの
再利用の参考になればと思います。
ペーパースラッジがうまく
再利用出来るといいですね!
(参考)
こんな記事も読まれています。
コミック誌の発行部数!話題作はあっても紙媒体は下がる一方
⇒https://kamiconsal.jp/comicsihakkobusu/
文庫本のカバーを印刷!インクジェット光沢紙で出来るのか?
⇒https://kamiconsal.jp/bunkoboncoverinsatu/
ハザードマップの準備!紙とデジタルのメリットとデメリット?
⇒https://kamiconsal.jp/hazardmapjunbi/