竹で紙を作るのは効率が悪い。それでも「竹紙」で環境を守る

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竹で紙を作る

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、竹で紙を作るのは効率が悪い。
それでも「竹紙」で環境を守るというお話。

管理人は元製紙会社社員。

紙の原料が木材だということは知ってます。

でも。

竹は紙の原料には使わない。

植物から繊維を取ることができれば
紙を生産できるとしても竹は使わない。

理由は簡単。

普通にやっても採算が合わないから。

竹から作ったパルプが紙に適しているか
というのはよく知らないんですけど

竹が紙の生産に効率が悪い
ということは分かります。

竹は中身が空洞なのでかさばるんですよね。

大規模な工場で大量生産するには向かない。

実際、竹は木材と比べても集荷や加工の効率が悪いと言われています。

チップ工場での加工効率は木材の半分程度になることもあり、さらに中空構造のためトラックに積んでも重量が稼げず、輸送効率も良くありません。

製紙会社から見れば、どうしてもコストが高くなりやすい原料なんです。

そもそも。

かつては竹を加工して日用品を作っていた。

普通に考えて竹製品が安く作れるのなら
日用品がプラスチックになってないはず。

残念ながら紙を作るなら竹よりも
安価な木材が使われることになる。

そんな感じで竹は紙の原料に使わない。

ところが。

昨今、竹林が放置されて環境問題になっている。

それをなんとかしたい。

ということで紙の原料に使うんだとか。

昔のように竹細工で日用品を作るなら
竹を適当に使うので環境問題には

ならないんでしょうけど
今はそんなことしませんから。

しかも竹は成長スピードが非常に速く、管理されなくなった竹林は周囲の森林や農地へ広がっていきます。

全国の竹林面積は増加傾向にあり、その多くが放置竹林とされています。

管理されなくなった竹林は生物多様性の低下や農地への侵食など、さまざまな問題を引き起こすため、伐採して有効活用する仕組みづくりが重要になっています。

ではその竹で紙を作ることは
どういう取り組みなのか?

ちょっと確認してみましょうか。

ということで。

この記事では竹で紙を作るのは効率が悪い。
それでも「竹紙」で環境を守るについて

管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。

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竹で紙を作る。中越パルプ工業の「竹紙」

まず最初に、竹を使って紙を作っている会社についてご紹介します。

その企業とは、「中越パルプ工業」という会社です。

中越パルプ工業HP
https://www.chuetsu-pulp.co.jp/

私、管理人の目線で見れば、この挑戦は非常に意欲的で、ある意味では革新的とさえ言える試みだと思っています。

そもそも、竹で紙を作るという発想自体が、一般的にはかなり現実離れしているというか、実現不可能に近い印象を受けるのではないでしょうか。実際、「やっても無駄」「効率が悪い」「品質が安定しない」といった否定的な見方が強く、従来の製紙業界ではあまり真剣に検討されてこなかったテーマです。

ところが、中越パルプ工業はその「無理だ」と思われてきた竹を使って、実際に紙の開発に成功しました。そして「竹紙」として世に送り出されたのです。これは単なる実験的な取り組みではなく、実用品として製品化され、市場に出回っているという点で大きな意味があります。

もともとは地域の人たちから「伐採した竹を引き取ってくれないか」という相談を受けたことがきっかけだったそうです。

つまり竹紙は、単に新しい紙を作るプロジェクトではなく、放置竹林という地域課題の解決を目指した取り組みでもあります。

その竹紙は、ノートやルーズリーフのリフィル(中紙)としても使用されており、実際に市販されています。

マルマン B5 竹紙 ポケットリーフ 2枚入 26穴 L472

この取り組み、実はとても意義深いことだと思うんですよね。

従来の常識を打ち破っているという点において、技術面でもビジネス面でも革新的な意味合いがあります。

もちろん、竹紙は一般的な紙と比べると価格がやや高めになる傾向があります。

これは竹そのものの価格というよりも、伐採・運搬・集荷・加工に手間がかかるためです。

特に竹は山間部に点在していることが多く、木材のような大規模な供給システムが整っていません。

そのため竹パルプ100%の竹紙は特殊紙に分類されることが多く、一般的な上質紙と比べると数倍の価格になる場合もあります。

しかしながら、環境保護や持続可能な社会の構築を考えると、その価格差は十分に納得できる範囲に思えます。エコロジーを意識する生活者にとっては、価格以上の価値があるはずです。

また、竹紙にもいくつか種類があります。

竹本来の色合いを活かした「竹紙100ナチュラル」は温かみのある風合いが特徴です。

一方で、企業パンフレットや名刺など色の再現性を重視する用途では、漂白した「竹紙100ホワイト」や竹パルプを配合した「竹紙上質」が選ばれることもあります。

用途によって選び分けることで、竹紙の良さをより活かせるでしょう。

実は、私の祖父母が住んでいた家は山の中にあり、周囲には広大な竹林が広がっています。その竹林が次第に田畑に侵食してきて、近隣の方々にも迷惑をかけるようになっています。

特に初夏の頃には、竹が恐ろしい勢いで伸びてきてしまい、ちょっと目を離しただけであっという間に手がつけられない状態に。まるで生き物のように旺盛な成長を見せます。

私自身は今、遠方に住んでいるため、頻繁に様子を見に行くこともできず、完全に手をかけるのは困難な状況です。

だからといって地元の方に頼もうにも、それにはそれなりの費用がかかります。

しかも、その地域自体が過疎化していて、手を貸してくれる人がどんどん少なくなっているのが現状です。

同じような問題を抱えている地域は、日本中に数多く存在しています。

こういった使い道のない竹を切って資源として活用してくれる取り組みがあれば、それだけでかなりの量の原料が確保できる可能性があるのではないでしょうか。

ですが、現実はそう甘くありません。

全国に散在する竹林から竹を伐採し、それを一箇所の製紙工場まで運んで加工するというプロセスを考えると、非常に高額なコストがかかってきます。

平地ならまだしも、山の斜面に生えている竹などは重機が使えず、人力で切るしかないことも多いのです。

そうなると、どうしても作業に手間と時間がかかり、採算が合わなくなってしまいます。

さらに近年は、竹を供給してきたタケノコ農家の高齢化も大きな課題になっています。

竹紙の原料として集められる竹の量も、かつてのピーク時から大きく減少していると言われています。

つまり竹紙は、「需要が増えれば解決する」という単純な話ではなく、伐採して運び出す人材や仕組みそのものを維持しなければ成り立たない取り組みでもあるわけです。

つまり、このような取り組みは単なる採算性だけを重視していては成り立たないわけです。

だからこそ、何かしらの「付加価値」が求められるのだと思います。

しかし、その付加価値の付け方が簡単ではないのです。

一時期、再生紙が非常に注目され、世間でもブームとなりました。しかし、無理な形で流通させた商品は結局淘汰され、今では姿を消したものも多いのです。

こうした特殊素材の商品を、単なる延長線上の商売としてではなく、消費者にきちんと新しい価値として届けることができるかどうか。それが成功のカギなのだと思います。

竹紙の場合、その価値は単なる紙としての機能だけではありません。

放置竹林の整備や地域資源の活用に参加できるという社会的な意味があります。

言い換えれば、竹紙は紙そのものを買うというより、「環境保全へのメッセージを含んだ紙を選ぶ」という側面も持っているのです。

とても難しいテーマではありますが、だからこそ挑戦しがいがあるのではないでしょうか。

竹で紙を作る。製造工程

竹紙の製造工程やどんな思いで
竹紙を開発したかの動画がありました。

これだけの竹林だったら安定して
竹を確保できるでしょうから

竹を原料にした紙を工場で
作っても採算がとれるのかも。

残念ながら各地に点在している
小さな竹林では無理ですけど。

ただ、竹紙の取り組みを見ていると、単純に「竹が余っているから紙にする」という話ではないことが分かります。

竹を切り出し、集荷し、チップ化し、パルプ化するまでには多くの工程があります。

しかも竹は木材より硬い部分があり、加工設備への負荷も大きくなります。

それでも製品化できたのは、長年にわたる技術開発と地域との連携があったからでしょう。

また竹紙には、国産竹パルプ100%の「竹紙100ナチュラル」や「竹紙100ホワイト」、さらに竹パルプを10%以上配合した「竹紙上質」などがあります。

竹紙100ナチュラルは独特の茶褐色の風合いが魅力で、環境コンセプト冊子や名刺などに向いています。

一方で企業ロゴや写真を重視する印刷物なら、ホワイト系の竹紙のほうが使いやすいでしょう。

用途によって選択肢が用意されているのも、この取り組みが長く続いている理由の一つだと思います。

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管理人のまとめ

今回は竹で紙を作るのは効率が悪い。
それでも「竹紙」で環境を守る
というお話でした。

竹で紙を作るというのはできれば
いいんですけど採算が取れない。

一般的にはそうなんですが。

中越パルプ工業ではあえて竹紙を
開発してブランドにしたんですね。

紙を作る効率だけを考えるなら、木材を使ったほうが圧倒的に有利です。

竹は輸送効率も悪く、加工効率も高くありません。

だから製紙会社が積極的に竹へ切り替える理由は本来ほとんどないはずです。

それでも竹紙が評価されているのは、放置竹林という社会課題の解決に役立つからでしょう。

環境保全と言う意味でもすごいこと。

ただし、竹紙を使えば竹害問題がすべて解決するわけではありません。

竹を伐採して運び出す人材不足や高齢化という課題も残っています。

それでも、竹に価値を与えて活用する仕組みを作ることは大きな意味があります。

こういう取り組みがもっと広がって
様々な問題が解決してくれるといい。

管理人は竹紙のノートを積極的に
買おうとまでは思いませんけど。

ただ、祖父母の家の竹林を思い出すと、こうした取り組みが続いてほしいとは感じます。

この記事が、竹紙の参考になればと思います。

竹紙、もっと普及すると良いですね!

(参考)
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紙のリサイクル
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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