管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。
このカテゴリでは紙と食品について
お話したいと思います。
管理人が子供の頃、
駄菓子なんかは紙袋に入れてました。
野菜も新聞紙に包んでいたり。
思えは食品包装材料として
今よりも紙が使われていた気がします。
それがいつの間にか紙袋から
ポリ袋に変わってしまいました。
スーパーなんかでは水濡れとか
強度の問題が大きいと思います。
紙袋は重いもの入れると
破れますからね。
それでもまだ紙製の容器とか
包装は残っています。
たこ焼きの持ち帰りは紙箱でしたし、
最近買った甘栗は紙袋でした。
紙コップ、紙パック、紙トレイなどは
まだまだ健在です。
このカテゴリでは
食品に使われる紙について
管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。
【紙と食品どんな用途があるか?】
直接食品に触れる紙としては、
キッチンタオルやクッキングシート、
ワックスペーパー、紙ナプキンなど
結構身近にあります。
紙の容器としては紙パック、紙コップ、
紙トレイなどもありますね。
たこ焼き、お好み焼き、焼きそばなどを
入れる容器もあります。
とはいえ、いずれもただの紙ではなく、
色々と加工したものになっています。
吸水性がよくても水に溶けない、
そういうタイプは原料はパルプでも
紙ではなく不織布であることが
多いようです。
なお、ここで言う不織布は、
パルプを接着剤でくっつけて
シート状に加工したもので、
接着剤を使うので水に溶けません。
ワックスペーパーは
グラシン紙という密度の高い紙に
ワックス(ロウソク成分)を染み込ませて
水や油でも大丈夫なようにしています。
クッキングシートだと
シリコーンを塗工して
食品がくっつかないような
加工をしています。
紙パックや紙コップ、
たこ焼きなどの容器は
耐油、耐水性を持たせるために
ラミネート加工や蒸着フィルムとの
貼り合わせをしていることが
ほとんどです。
意外に手の込んだことを
しているんですね。
昔ながらのただの紙袋というのは
ほとんど見なくなりました。
商店街の肉屋のコロッケなどを
筋入りクラフト(薄茶色で筋が入った紙)
に入れてもらったものですが、
最近は見なくなりました。
管理人がスーパーやコンビニばかり
使うからかも知れません。
最近では天津甘栗を買ったときに
普通の紙袋に入っていましたが、
こういうのをポリ袋に入れられると
なんとなく味気ない気がします。
もっと紙袋を使ってほしいんですけど
重いものを入れる可能性がある
スーパーやコンビニでは
使いにくいんでしょうね。
【紙と食品 食品衛生法】
ここからは元製紙会社社員として
お話をさせて下さい。
食品には食品衛生法という
法律があります。
紙だったら食品に触れる場合に
使ってはいけない物質が決まっています。
そしてその種類は増えています。
毒物と分かっている重金属などは
紙から検出されてはいけません。
紙の場合バージンパルプで
普通に生産していたら
こういう物質が入ることは
まずありません。
ただし、古紙入り品の場合は
元の原料が古紙ですから
その古紙が元々何に使われていたかは
把握できません。
新聞紙のように元が新聞紙と
分かっているのはいいんですが、
段ボール原紙のように
何でも使うという紙では管理ができない。
極端な話、農薬が入っていた袋が
古紙に混ざっていても管理できません。
色んな種類の紙が
古紙として一緒に入りますので
製紙会社に入ってきた時点では
その履歴を追いかけるのは不可能です。
その意味で食品に使われる紙として
通常古紙入り品は使いにく。
ただし、元製紙会社社員の立場でいうと、
段ボール原紙でも食品衛生協会という
第三者機関で有害物質の
分析試験を実施していました。
年に何回かサンプルを送って
お金払ってやってもらってましたね。
結果としては一度も有害物質は
検出されませんでした。
管理人にはこういう経験があるので、
現実的には紙を食品に使用して
問題になることは
ほとんどないと考えています。
紙は食品ではないので
食べてはいけないですけど。
【紙と食品 蛍光染料】
管理人が製紙会社にいるときに
うるさく言われたのが蛍光染料。
紙でも特にコート紙は
蛍光染料を使うんです。
ほとんどのコート紙の塗料には
蛍光染料が入っています。
蛍光染料は紫外線を吸収して
発光する染料のこと。
紙が劣化すると黄色くなりますが、
その補色になる青色系が多いですね。
この蛍光染料は発がん性があると
言われていたんです。
その経緯は、厚生労働省によると
==引用==
1970年にBinghamらが
過酷な条件下ではあるが
蛍光染料に発がん性があると
報告して問題となり、
昭和46年5月8日付環食第244号
厚生省食品衛生課長通知
「蛍光物質を使用した器具または
容器包装の検査法について」
により統一検査法が示され
規制が強化されることになった。
==引用終わり==
ここで法律で禁止されたんですね。
ところが続きがあります。
==引用==
しかしその後、
蛍光染料の安全性に関しては、
国立衛生試験所をはじめとする
多くの動物実験により発がん性が
ないことが報告され、
通産省繊維品安全対策会議でも
確認されている。
==引用ここまで==
なんと!
結局、蛍光染料に発がん性はなかった
という結論が出てるんですね。
ところがです。
・・・しかし、通知による厳しい規制は
そのまま継続され・・・
となっているんです。
お役所の法律ってこわい。
発がん性がないと分かったのに
規制は続けているんです。
だから今でも根拠もないのに
規制は続いています。
ただ積極的にコート紙を食品用に
使うことはありませんし
上質紙などにコストの高い蛍光染料を
無理して使うこともしませんから
製紙会社的にはこの規制による
デメリットはあんまりない。
わざわざ問題を作る必要もないので
そっとしておく感じだったと思います。
【管理人のまとめ】
今回は紙と食品について
お伝えしました。
紙で出来ている食品容器は
結構あるんですね。
紙パック、紙コップ紙トレイなど。
それと食品に触れる紙は
有害物質を含んではいけないので
製品の分析試験も
定期的にやってました。
蛍光染料については
今回、調べなおしてみたんですが、
1973年と1992年に
通産省繊維品安全対策会議でも
発がん性はないという
確認がされているのに
いまだに規制は続いている、
という結果でした。
正直ちょっとこれは怖かったです。
紙は安全だというのが分かったのは
良かったんですけど。
いずれにしても。
紙と食品用の容器は安価で
使い捨てられるのが便利なところ。
これからも多用されると思います。
便利な紙容器で生活を楽しんで下さいね!