管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。
このカテゴリでは紙の修復について
お話したいと思います。
古本を買うと紙が黄ばんでいた。
あるあるですよね。
管理人はそれも味があると思うのですが、
きれいな方がいい人が多いでしょう。
では黄ばんだ紙を修復できるのか?
これについては出来るときと
できない時があるようですね。
単純に汚れて黄ばんでいるのなら
物理的に汚れを落とせばいいんですが
紙の繊維が劣化して退色している場合は
かなり難しいというか無理です。
シミはコーヒーをこぼした程度なら
キッチン用漂白剤でシミ抜き出来ます。
その他、シワとか折り目などは
アイロン掛けでなおることもあります。
ということで。
このカテゴリでは紙の修復について
管理人が調べたことをお伝えします。
【紙の修復 黄ばみ対策】
紙は黄ばむもの。
特に古い書籍は黄ばみやすいですが
この黄ばみにも大きく2種類あります。
ひとつは汚れが原因の黄ばみと
もうひとつは退色が原因の黄ばみ。
汚れが原因の黄ばみは
書籍の側面や表紙になります。
側面が汚れて黄ばんでいる場合は
目の細かい紙やすり
300番台あたりでこすれば
かなりキレイになります。
また、表紙の場合、
コート紙(光沢がある紙)ならば
ウエットティシュで拭くとか
マイペットなどをティッシュに
染み込ませて拭くとかすると
黄ばみが改善されることがあります。
光沢のない非塗工紙の場合は
単純に消しゴムをかけるのが有効。
ただしこれらが有効なのは
黄ばみが汚れに起因する場合です。
もうひとつの黄ばみは退色が原因の場合。
これは繊維の劣化が原因なので
黄ばみ対策はちょっと無理です。
特にリグニンを含む
機械パルプが配合されている中質紙、
古い文庫本が該当しますが、
こういうのは黄ばみやすいです。
また機械パルプが配合されていない
上質紙でも酸性紙だと黄ばみやすい。
これには歴史的な理由があって、
昭和の終わり頃までは
上質系の書籍用紙でも
酸性紙が多かったんですね。
2000年以降であれば上質系は
ほとんど中性紙になっていると思いますが
それまでは技術的な問題もあって
酸性紙が多かった。
だから昭和50年代の古本は
今ずいぶん退色してるように思います。
【紙の修復 シミ対策】
本を読んでいてコーヒーをこぼした場合。
このようなシミはキッチン用の漂白剤で
シミ抜きが出来ます。
具体的には
1.こぼしたコーヒーを
ティッシュなどで拭き取る。
2.シミに漂白剤を染み込ませる前に
裏側に適当なあて紙を挟んでおく。
3.キッチン用漂白剤を綿棒などを使い
シミの部分に染み込ませる。
4.シミが抜けたら綿棒などを使い
水で漂白剤を落とす。
こんな感じです。
キッチン用の漂白剤は
ハイターなどが使われるでしょうが
臭いがきついですから
気になる人はマスクするとか、
ハイターが手につくのも良くないので
手袋をするとかの対応はお願いします。
【紙の修復 シワ対策】
水に濡れてシワが入ったらどうする?
これもいくつか対応方法があるようですね。
ここでは2つ紹介します。
ひとつはアイロンをかける。
この時、シワの入った紙の裏に
コピー用紙などを当てて
霧吹きで若干湿らせてから
アイロンをかけるといいみたいです。
すでに湿っていたら霧吹きは不要ですが、
洋服にアイロンを掛けるのと同じですね。
もうひとつは冷凍する。
濡れてシワの入った本を
フリーザーパックに入れる。
パックの口は閉じずに
本を垂直に立てて冷凍庫に入れる。
その状態で24時間以上放置する。
この時にくっついているページを
無理に開こうとしないことだそうです。
この方法は凍結保存というらしい。
ただしこの方法はうまくいくという意見と
微妙という意見があるようです。
ちなみに。
化学の世界では凍結乾燥法
(フリーズドライ)というのがあります。
インスタント食品でよく見かける
あのフリーズドライですね。
食品を一気に凍結してそれを減圧する
(真空ポンプなどで空気を抜く)。
そうすると氷が昇華して気体になって
食品の中から水分だけが抜ける。
だいたいこんな理屈なんだそうです。
本を凍結するとこれに似たことが
起こるのでしょう。
ただ家庭で実行するとなると、
冷凍は出来ても減圧は出来ませんから
本を解凍する時に出てくる水分を
取る必要があるはず。
あまり濡れていなくて紙が厚ければ、
その水分を吸収してうまくいくのかも。
凍結した状態で各ページに
白いコピー用紙を挟むことができれば
水分を取ることが出来て
良いのかも知れません。
このあたり、
本の濡れ具合やシワの状態で
どの方法を採用するかを
考えないといけないようです。
【管理人のまとめ】
今回お伝えしたのは
紙の修復についてでした。
紙を修復すると言っても
出来ることと出来ないことがあります。
紙の黄ばみひとつとっても
原因が汚れなら対応できますが、
紙の退色の場合は
繊維の劣化になるので対応できません。
シワの場合は、
ページ数が少なければアイロン、
全体的に濡れたなら凍結のように
使い分けも必要でしょう。
もしも本やノートの修復をする時に
この記事が参考になればと思います。
紙の修復、うまくやって下さいね!